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鴨川いきもの紹介/甲殻類

2011.03.22コラム

鴨川いきもの紹介/甲殻類

サワガニ

サワガニは河川の上流域では普通に見られる淡水性のカニです。水質指標では、きれいな水を示す生物とされています。
鴨川では人家の建ち並ぶ市街地で見られることもあります。 
日中は岩の下などに潜み、夜間に生きた昆虫、魚の死骸や卵などを求め活発に動き回ります。カニのオスメスの見分け方は、通称ふんどしと呼ばれる卵を抱く部位が発達して大きいのがメス、小さいのがオスで、俗に言われるハサミの大きさは個体差があり、区別するには難しい特徴です。
夏にスーパーなどで唐揚用と称し、パック詰めで売られていたりしますが、肺吸虫という寄生虫の宿主でもあり、確実に火を通してから食べられることをおすすめします。

ミナミヌマエビ ヌマエビ科

ミナミヌマエビは、3センチほどの小型のエビで鴨川ではゆるい流れの石の下や、水際の草むらなどに棲んでいます。タモ網などでそういった場所を漁ると驚くほど沢山採れます。この種類は繁殖力が旺盛で、ヌマエビの仲間でも1mmほどの大きな卵を数十個抱き、幼生ではなく稚エビを孵し、大きくなります。そのため、生存率を高め生まれてすぐに餌を求めて動き回ることが出来ます。オイカワやヨシノボリなどあらゆる種類の魚が彼らを餌として食べ、川の豊かさを支える大事な生物の1つとなっています。
また色の多彩さでも知られ、同じ種類でありながらトラ縞模様やストライプ模様、燃えるような赤い色をしたものもおり、熱帯魚店ではコケ取りなどとして売られていたりもします。

抱卵した個体(約3センチ)

ミズムシ 等脚類

ミズムシは、水生生物の名前では昆虫と甲殻類の2種類いますが、今回は甲殻類のミズムシについてお話しします。
この種類は、汚れた水の水質指標生物として知られイトミミズやモノアラガイなどとともに汚染の進んだ水圏で特に見られるとされています。見た目は分類的にも近いダンゴムシの水棲版といったところ。そんなものが鴨川に?じゃあ汚染が進んでいるのか、というと必ずしもそうとは云えません。一年を通して、水生昆虫の棲みにくい浅瀬などでは石の下などにいて落ち葉や他の昆虫などの死骸を食べています。
夏はトビケラやカゲロウなどの種類が幅をきかせ、彼らは隅に追いやられていますが冬になると流下してきた落ち葉の溜まったところに何層にも彼らが棲みついています。
冬場は「汚染指標」などという糾弾をよそに、彼らによってせっせと落ち葉の処理が行われるのです。

ダンゴムシのような姿のミズムシ

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