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2013.01.16コラム
鴨川には、都市河川としてはかなり豊富に様々な魚が生息しています。
その中でもハゼの仲間のカワヨシノボリという魚は、石の積み重なった浅瀬をちょろちょろと動き回るユニークな種類です。彼らはナワバリを持ち、普段は大きな餌を丸呑みにする口で小石を器用にくわえてせっせと石の下を掘って巣を作ります。
口の大きさはこの巣作りに欠かせないものであるとともに、大きく開けてナワバリの侵入者を威嚇するためにも重要な役目を果たします。
鴨川では浅瀬に目をこらすと沢山いることに驚かされます。群れ合うのどかな眺めも実はせめぎ合いの真っ最中なのかもしれません。
にょろにょろぬるぬるの体、立派なヒゲ、大きな口とつぶらな瞳。ナマズはその不思議な姿で、昔から人々の興味を引いてきました。地震と関連づけた説話は有名ですし、江戸時代には浮世絵のモチーフとしても盛んに用いられました。琵琶湖周辺の貝塚からはナマズの骨も出土しており、古くから食用にもされてきました。実は、見かけに似合わず、淡泊な白身でおいしい魚です。
先日、鴨川でナマズの卵を発見しました。卵は緑色で直径3mmほど。ゼリー状の特徴的な卵で、慣れればすぐ見分けがつきます。 ナマズは夜行性なので、産卵も夜に行われます。発見した場所は水深わずか20cmほどの浅瀬。昼間はナマズどころか、魚もあまりいません。そんな所に、前夜に多くの親ナマズが集結していたと思うと、とても不思議です。 卵を数個持ち帰ったところ、次の日にはふ化し、かわいい子ナマズが出てきました。7月初旬現在、2cmほどに成長しました。
ナマズは生まれた時から肉食です。はじめはミジンコなどのプランクトンを、今は水生昆虫などを食べて、すくすくにょろにょろと育っています。しばらく研究所で飼育し、観察を続ける予定です。
2011年6月に卵を発見し、持ち帰ってふ化させたナマズ。1年と少したった2012年秋に全長を計測すると、約40cmにもなっていました。小魚や市販の配合飼料をあげていますが、食欲がものすごく、あっというまに平らげてしまいます。鴨川では2012年もナマズの産卵があったようで、稚魚が見つかりました。肉食魚であるナマズが毎年産卵し、成長できるということは、それを下支えする小魚などの餌が十分にあるということを意味します。都市近郊としては比較的良好なこのような環境を、いつまでも残したいものです。
「はえ」「しらはえ」「はえじゃこ」などとも呼ばれます。属名のZacco(ザッコ)は、日本語の「雑魚(ざこ)」にちなむもので、17世紀にシーボルトが持ち帰った標本を元に名付けられました。恐らく当時の日本人がこの魚の呼び名を聞かれ、「ざこ」と答えたことに由来するのでしょう。
成魚は15cmほどに成長し、特に産卵期の雄には美しい模様があらわれます。雌はやや小さく、色も銀白色で地味です。西日本を中心に各地の川の中下流に分布し、鴨川での個体数は大変多く、浅瀬では稚魚の群れが至るところにみられます。オイカワの稚魚はメダカと間違われることも多いものですが、メダカは特徴的な体形や動き方をしているので、慣れればすぐに見分けることができます。産卵期は春から初夏で、川の平瀬の砂利の中に卵を産みます。この際、美しい色をまとった雄同士はナワバリをめぐって激しく闘争します。一方、冬のオイカワは「寒バエ」と呼ばれ、釣りの対象となるほか、白焼きや塩焼き等で美味しくいただけます。