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2011.07.04コラム
鴨川ではよく見られるマダラカゲロウの一種で、幼虫は緩やかな淵や落葉だまりに多数生息しています。
羽化は春ごろで、成虫は1センチ強の大きさになります。
流れに弱く泳ぎが下手で、もっぱら脚を使って這い回るか、不器用にからだを屈伸させて泳ぐ姿が健気です。
「シリナガ」と名が冠されているものの、他のマダラカゲロウと比べても特に尾部(腹部に相当)が長くは見えません。
むしろ他のマダラカゲロウの幼虫が並べて二の腕(腿節)が太いのに比して、華奢であることが容易に観察できます。
この仲間は、渓流でのフライフィッシングに使う毛鉤のモデルにもなっています。
ヒラタカゲロウ類の幼虫は水質指標生物の中でもきれいな水に生息するとされています。
シロタニガワカゲロウはヒラタカゲロウ類の中でも鴨川ではよく見られる種類で、平たい体つきで割と流れのある場所の藻類の繁茂する石にへばりついていたりします。
他の種類との見分け方の一つは、頭部の縁に小さな白点の斑紋が見られることです。これは10倍ルーペなどで観察するとわかります。
採集の際、石にへばりついたまま縦横無尽に動き回るので網にかかりづらく、石を隈無く探さないと見失ってしまいます。
水面に浮上して羽化することが知られていますが、これは最も襲撃を受けやすい機会となります。成虫の寿命の短さよりむしろその瞬間こそがカゲロウの儚さを表すのではないかと思います。
鴨川に棲む生き物の中で、特に数の多い「ヒゲナガカワトビケラ」という水生昆虫がいます。
彼らは幼虫の時期を川の中で過ごし、体長5センチほどの茶色い”モスラ”のような形をしており、口から吐く絹糸によって、川石の隙間に小石をつなげて巣を形成します。
巣の開口部には網状の絹糸が張られ、そこに引っかかる川の残渣(デトリタス)を食べて成長します。成虫は、陸で羽化し蛾のような見た目をしています。
名前の由来の「ヒゲナガ」はこの成虫の触角を指します。
夏場には集団で飛来し、厄介者扱いされますが、川を浄化し、また幼虫・成虫通じて多くの鳥や魚の餌となる、鴨川の豊かさを支える重要な種類です。