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2010.11.30コラム
大腸菌群とは、大腸菌および大腸菌とよく似た性質を持つ菌の総称です。大腸菌は、一般に人畜の腸管内に常時生息し、健康な人間の糞便1g中に10億~100億存在するといわれています。そのため、微量のし尿によって水が汚染されてもきわめて鋭敏に検出されます。
大腸菌群数は容易に検出できることから、し尿汚染の指標として広く用いられています。
最確数(MPN:Most Probable Number)法とは、推計学に基づいた手法で試料の細菌数を推定する定量法であり、その結果得られた最尤推定値を最確数という。
大腸菌自身は普通、病原性はなく、大腸菌群が検出されたからといって直ちにその水が危険であるとはいえません。しかし、大腸菌群が検出されることは、その水はし尿による汚染を受けた可能性があり、赤痢菌やサルモネラ菌などの病原性細菌によって汚染されている可能性があることを示すものです。
水中に許容される大腸菌群数および※糞便性大腸菌群数は、利水目的によって異なりますが、基準値として下記のようになっています。
※糞便性大腸菌群
大腸菌群は動物の糞便由来のもの以外にも土壌、植物など自然界に由来するものも多くあり、大腸菌群が糞便由来かどうかを判断する必要がある場合、より的確に糞便汚染を把握することができる糞便性大腸菌群数試験が行われる。
「水質調査の基礎知識」平成12年2月
国土交通省 近畿地方整備局 近畿技術事務所より